3年ぶりの峨山道 その3

2022年10月25日火曜日

トレラン 峨山道トレイルラン 山歩き

 このレースの特徴としては、
「10kmごとに7つエイドがあるが
 食べ物があるのは2か所だけ」。
※前回は1箇所でした。
おにぎり2、おまんじゅう、いかだんご(ひと串3つ)
を、前回はパックに入れて供してくださったのを今回は2か所に分けてそれぞれの場所で供して下さる方法になっていました。総量は変わらず。

元々あまりレース中、食べる方ではありません。
補給品も補給計画も自分でどうにかするしかないセルフ山旅を何回かやってみて、自分の中では、

・大体3時間に1回、200~300kcal補給
・ただし上りがきついところが続くと消耗が早い
・そういうところは事前に血糖値上げてのぞむ
・糖分と油脂同時に取ると効率がいいカンジ
・大体普通の食品でまかなえる
・気温が低いと大体2倍くらい消費が早い

、という感覚を持っています。
補給品をたくさん持っていればそれは安心ですが
荷重が増えると消耗もする・・・
水分は命に関わるのでケチれませんが
このレースでは10kmまかなえればいい。
水だけのエイドでもものすごくありがたい。
500mlでギリギリ、日がさすと、不足気味、って感じですが。

水をかつがなくてもいい分、補給品の軽量化は考えなくていいわね、
と思った、今回の補給品一覧


①ぬれおかきカシューナッツ混ぜ
(2つに袋を分けた)
②バームクーヘン
③ガルボ
④くるみ黒糖
⑤OS-1
⑥写真なし ミニようかん

この他に、スタート前販売していた、ジェルを2つ買ってポッケに入れました。

いつも自販機を見つけたら、あるいは自販機のあるところを知っていれば
そこで買う甘い飲み物で、水分補給+カロリー補給、3本くらい買うときすらあります。
ことほどさように甘い飲み物がイノチヅナのわたしは、
食べ物エイドがないことよりも、
自販機利用禁止のレギュレーションの方が過酷なのでした。

50km地点の現在、補給できているのは

・バウムクーヘン
(5~6時間前に分けて食べた)
・黒糖くるみ 1/3袋
・ジェル1
・ぬれおかき3かけ、
 カシューナッツ少量
・エイドでもらったおまんじゅう
・エイドでもらったおにぎり一口

スタートからはすでに8時間以上経過、なにをどう考えてもエネルギーは足りていません。
ただ、あんまり走っていないし、キツイ上りもあまりなかったし
大丈夫じゃないかという気もする・・・
、てなこと思えていたのは、52km(ヤマレコアプリ)あたりまで。
鉄塔地獄が始まって、上り始めると、長いわけじゃないその上りがきつくてしょうがなく、途中、止まって息を整えないと上がれない始末。
(もちろん歩いています。)
上がる→鉄塔→下る。また、上がる→鉄塔→下る、また上がる。
何度か繰り返している間に息は切れるし、身体にチカラが入らなくなってきました。

なんてザマだよ・・・

とうとう鉄塔の足元に座り込んでしまいました。

もうだめだ。
やっぱりレースなんて出るんじゃなかった。

なにも楽しくない。
山の中を走るのはイヤだ。
全くなにも1mmも楽しくない。
早く帰りたい。
ここじゃないどこかに行きたい。

次の矢駄エイドで終わりにしよう、
と思いました。
それはともかく、猛烈に寒くて眠い。
マンガのように手が震えて、歯がガチガチ鳴ってます。
唇を舐めると海水か、と思うほどしょっぱい。
目を閉じたらぐらぐら身体が揺れてる感じがします。
あーこれは、エネルギー切れだよね。
塩分不足もあるよね。
何回もやらかしているおなじみの感覚です。
とにかく血糖値を上げなければ。
やめるにしても、矢駄エイドまでは、自力で行かなくてはなりません。
背負ったままだったザックのポッケから、ガルボの袋を取り出し
(あらかじめ袋の口は切っている)
ガッサアアーーーと手をつっこみ、
わしづかみにしたガルボを
リスのように口いっぱいにつっこんで
強制的に咀嚼し、水で流し込みました。
溶けにくい、咀嚼しやすい、口に油脂があまり残らない。
色々試した結果、わたしの中のチョコ菓子補給品・最高峰、ガルボ・・・!
頼むよ・・・!!

とにかく立ち上がれ。
食べたから動ける。
ガルボは裏切らない。

とりあえず早く終わりたいので
ときどき走ったりしてみますが、とたんにイヤになり早歩きに切り替え。
50km表示の立て札が見えたときが、一番心折れそうでした。
あと8kmとかどういうことだ・・・

誰も話す相手がいないし、ココロはすさんでいるので脳内で悪態をつきまくっていました。

もうやめてやる。
二度とレースなんか出ない。
ていうか、こんな有様で出ちゃだめでしょうよ。

・・・。

そうすると、これが人生最後のトレランレース、ってことか?
人生最後のレースが、DNF。
痛いところもないのに?

・・・。

いやいや、根性論でどうにかできるような底ヂカラはもうわたしにはないでしょうよ。
矢駄エイドを過ぎても、まだ山間部は10km続く。
ゴール前にも数キロあったような。
(あります)
途中で日は暮れるから真暗闇の
慣れない山間部をひとりでつっこむんだよ?

むりーーー
ハイ、やめやめーーー

それにしても、
コレ永遠につかないのでは。
あと8kmとか絶対ウソだろう。
実は矢駄エイドを通りすぎているのでは?
とか、本気で考えて、GPSを確認して
ばっちりオンルートだったときの、落胆。
いや通り過ぎてないんだからよかったのですが

こんなにも着かないってどういうことだ!!
てめちゃくちゃ腹を立てて。
今思い出すと
ちょっとだいぶおかしいココロモチでした。

腹を立てたおかげで、寒いのも眠いのもふっとんで変なエネルギーが渦巻いていました。

そして。

割と唐突に山間部が終わり、
北陸電力の施設前に出て。
16:48 (スタートから10時間48分)、6A 58km 矢駄エイドに
到着しました。

58km 矢駄 10:47'59"

おにぎりをいただきましたが、食べられずポッケにしまいました。
コーラを2杯いただいた後、スタッフの方と目が合いました。

ら。

「ライト点灯チェックします。」

あ、はいはい。
16時以降にここを通過する場合、点灯チェックがあるってレギュレーションに書いてあったわね。
ヘッデンを取り出してチェックを受けました。

・・・って。
やめるんじゃなかったの?
ほらほら、
「リタイヤの方はバス来まーす」
って、言ってるよ?

サブライト、点灯チェック。
気温が下がるから、ウィンドシェル装着。
防寒具の、2枚目アームカバー、ネックウォーマー
取り出しやすいポッケに移動。
最終防寒具、レインウェア存在チェック。
マップ側のスマホ、バッテリー残量チェック。
モバイルバッテリーにつないで充電始まることをチェック。

オールOK。

・・・って、なにサクサク、夜間行動の準備してるんだ。
やめるんじゃなかったの?

ここの関門閉鎖(17:30)まで、30分のリード。
次の関門(68km)まで10km、2時間半。
夜間は行動スピードがガタ落ちるから、
もう次の関門でアウトかもしれない。
行くだけムダかもしれないなあ。

だけど人生最後のレースなんなら、
身体が動くのにやめたら、わたしがすたる。
・・・ような気がする、イヤだけど。
めっっっっさイヤだけど!!!

そんな、内なる声が、声高に主張を始めてしまい、
気がついたら、収容バスとは反対方向に足を進めてしまいました。

ええええええーーーー
どういうことだよ、アンタ。
もうどうなっても知らんよーーーー


(続きます)

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