キラキラ供養

2021年9月25日土曜日

よしなしごと

 先日、かなり疲労している状態で、ファミレスでご飯を食べました。
お会計でぼんやり待っていたレジ前には、
なんかどうでもいいマスコットとか駄菓子とかが並んでおり。
いつもならば用事はないのですが、
ふと気がついたら、手に取っていました。
...子供だましのキラキラしたくまちゃんの指輪を。



アカン、だだもれてしまったよ。
ココロの中の小学三年生(女子児童)が。

わたしの持ち物や、普段身に着けるものは、
シンプル路線にややひねりが加わったもの、あたりが中心で、
ビジューとかスワロフスキーとかは好みではないし、
なんならカバンも靴も、金具がついているものは極力避けるくらいなのに。

それなのになんなんでしょうかね。
身に着けたいわけでもないのに、
キラキラを手に取ってみたくなる、
この衝動は。

記憶にある、一番初めのキラキラを欲した記憶は、おもちゃのコンパクトだったと思います。
まだ幼稚園児前くらい?
幼児だったので、微笑ましかったのでしょう、
おねだりの末、買ってもらって、すごく嬉しかったのを覚えています。

その次に、死ぬほどハートを撃ち抜かれたのが、お祭りの夜店で売ってる指輪セット。
こういうのね。



ご記憶の方もいらっしゃるのではないかと思うのですが。
もらったお祭り用のお小遣いを、はたかなければ買えない金額だったので
悩みに悩んで結局いつも買えずに終わっていました。


小学中学年くらいから、「りぼん」を愛読していて、当時から活字好きだったので、
中身の漫画はもちろんのこと、
なんなら懸賞欄とか
ハシラとか、読者のおたよりコーナーまで
なめるように熟読していました。
(だって次が出るまで1か月あるから)
雑誌の表紙裏には広告が載っていて、
「日ペンの美子ちゃん」(ペン字通信教育)
と、
「サン宝石」でした。
当時は「サン宝石」とは言ってなかったのかな、でもとにかく安い髪留めとか、指輪とか載っていて、もうときめくこと、ときめくこと。
親に言っても怒られるに決まってるから、
こっそり買いたいし、
また十分買える値段でした。
でも、お店以外で買い物をしたことない小学生、はがきで注文するようなのですが
いったいどうすればいいかわからない。
結局、いつも眺めるばかりで、憧れは募るばかりでした。

高学年になり、中学生になり。
「りぼん」の購読はまだ続いており、サン宝石の広告も変わらず掲載されていました。
もう自分で注文し、支払いもできる年齢(少額なので)だったのですが。
ほしい、という気持ちはあるのですが、
思春期にさしかかって、
色々こじらせていました。

ソフトボールをやっていたので、
日焼けで真っ黒。
どんどん背も伸びて。
(小5の終わりから今の身長)
体格もゴツくなっていき。

キラキラや可愛いものを持っているのを人に見られたら、
当時はそういう言葉はなかったですが
「キャラじゃない」、
そう笑われるのが死ぬほど嫌でした。

ほしいけど、ほしいと思ってることを知られたくはない。
こっそり雑誌の裏を眺めている分には誰に知られることもないので
広告を見るのは、楽しい時間でした。

さて、それから長い長い年月がたちました。
ずっと知る機会がなかったのですが
ひょんなことから、
「サン宝石」は今も存続していて、
ジュニア対象に10数円の髪留めなどを販売していることを知りました。
ネットが中心になっているということで、
サイトを見に行くと、もちろんそれなりに高い(っても千円くらい)
ものもあるものの、10数円のシールとか、
小学生がお小遣いで買えるものがたくさんあり、めっちゃ嬉しくなりました。

今も変わってないんだ・・・

ところがです。
ほどなくして、今度はショックなことを知ることになりました。


えーーー!!!
早く言ってくれれば・・・!

SNSでひっかけると、同じように思ってる人が
出てくるわ出てくるわ。
皆さん一様に、
「買い物をして助けになりたい」
という気持ちで。




これに対して、
「それなら、そんな状態になる前に
買い物をしてやればよかったのに」
という声を聞きましたが、
それは、違う。

対象はあくまでもジュニアです。
自分が対象年齢ではなくなったら
そっと卒業するのが仁義。(知らんけど)

でもみんな、存在は忘れていなくて。
自分の子供さんが小学生になったら、
買い物をさせてあげているという人も
たくさんいました。

その子供さんすらももう対象年齢から卒業している方もいらっしゃいます。
最近では、購入者のお誕生日が近づくと
クーポンつきのメールが届く仕組みになっているらしいのですが、
ある方は、
「サン宝石から娘の誕生日クーポンが来たけど、目を輝かせてシールや髪留めを選んでいたわたしの小さな女の子はもういなくて、苦しい恋に悩む20歳がいる。」
とつぶやかれていて、切なさにもらい泣きしそうでした。

話が逸れましたが、わたしだってサン宝石には夢をもらっていた恩がある。
潰れてもらっちゃ困ります。
買い物しようとサイトに入ったら、
サーバーダウンしてましたよね…
殺到してたのね…




なんとか入って5000円くらい買い物したのですが、その間、完全に小学生に戻ってました。
キラキラでもラブリー盛り盛りでも、
もうそれを笑われても、どうってことないや。
数十種類の買い物を終えた頃には、
なにか供養をしたような気持ちになっていました。キラキラが欲しくて買えなかったわたし、買ってあげたからね!

とは言え、大人の分別はちゃんとある笑。
自分で使う訳にはいかないので、娘さん2人のお父さんである人に、もらってもらいました。

自分のお小遣いで、可愛いものを複数個買える。それはワクワクする経験です。
世の中がスゴい勢いで変わっていっても、
そのことが残っていたことが嬉しいし、
これから先も残っていてほしい。

利の薄い商品を多種作るのは、ホントに大変だと思うのですが、販路をワールドワイドに広げて、なんとか是非、あり続けていただきたい、とサン宝石さんを応援しております。

たまに大人買いするよーー









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