中辺路旅 その3

2021年3月27日土曜日

トレラン ファストハイク 熊野古道雲取越 山歩き

 
手持ちの高低図を見ると、円座石を過ぎると
少しだけフラット(に近い)箇所があるようです。



早歩きで、補給(ちょいパクラスク)→水を飲む
→少し走る→早歩きで補給(以下略)
を繰り返しながら、難所に備えました。

やがて見えてきた、
ずーーーっと上り坂の石畳。
なんか先が見えないくらい
上ってるんだけど・・・

陽の差さない樹林帯の石畳の道。




「よみがえり」の熊野古道とくればムード満点ですが、スピリチュアルな感性は持ち合わせていないため、心にはスパルタ監督が降臨していました。

動力は己の肉体のみ。
エスケープはできない区間、
お前の脚を動かすしかない!!
キリキリ歩め!!
休むな!!
(こういう道でいったん止まると
 リスタートがとてもツラい)

という檄が飛ぶ飛ぶ。

どこに足をおけば滑らないか。
この土部分にはつま先を突っ込めるか。
かかとにテンションかけるな。
(滑るので)
進んでいけばいつか終わる!!
おりゃーーー!!!

「ゲンザイノ ヒョウコウハ ●メーター
 ジコクハ ▲ジ デス」
と読み上げる登山アプリの声だけが
静かな山中に響き、
脳内にはなぜか「おさるのかごや」が無限リピート、それに合わせて、ただ、無心にのぼっていくマシーンと化していました、ホイサッサ。

ラスボス、胴切り坂。

借り物


うー、容赦ないな・・・


やがて、最高標高の越前峠に到着。
かつては遠く越前まで見通せたとか?
(えーーー)
今は残念、眺望は開けていません。



思ったのは、
2.5km600m強の上がり
(小口からは4.8km800m上がり)
楽ではなかったけれど、
これは下りの方がつらいやつだ…
特に雨とか雨上がりなら、もう地獄のように滑るため、コースタイムの1.3倍は覚悟しないといけない区間だな、と。

今度は那智大社→本宮で、また通りたいと思いますが、その時の計画には考慮しないとな。


さて、最高標高は過ぎたのであとは下り基調になるはず。
ただ、石畳の具合によってはペースは上がらないか。



借り物。
この方自転車で下りられた?スゴい!


幸い、下りは日当たりがよく、石畳も滑らない箇所が多かったのですが、絶対にケガをするわけにいかないので、
ペースは欲をかかずに慎重に。

途中崩落個所があるため、迂回指示が出ていました。



プラス3km、かあ…
でも林道なので稼ぎどころだろうか?
別に遅れているわけではないのですが、
なにせ初見の道で先行きがわからないため、走れるところは走りたい。

ポテ走りながら、地道に走って、
本来の道と合流する、
地蔵茶屋跡に着きました。



わー。なんか久しぶりに見る自販機・・・



実は水がココロモトなく、大雲取に入ったときから節約モードで飲んでいたので
補充できるの嬉しい。
この自販機大変ステキで、なにがステキって、
ゴミ箱が併設されているのです。
山中の自販機はゴミ箱がないところが多いため
空きカンは持って帰るのですが、本日はザックに余裕がないので、捨てられないなら水の補充だけするつもりでした。
なんでも好きなもの、飲み干せるやーん♡
ウキウキ、健康に悪そうなメロンソーダ補給。

あーーーウマい!

ここからはしばらく上り舗装路、
もう走って上がれる脚ではありませんが、
だからといって、ダラ歩きはできない。
次第に斜度を増す舗装路は、
1.5kmほど続きました。

那智山まであと7km位、
色川辻から多分最後の上り。

うおー。

時刻は14時台、
明るいうちにゴールできそうです。
下りに転じてあと5kmほど。
木々の切れ間から、那智山へ向かう道でしょうか、道路が見えてきました。
それなのになかなか山が終わらず、
まだか〜まだか〜と思いながら
走っていました。

そして、ようやく。
古道が終わりました。



…あれ?お社はどこかしら?
全然神社の雰囲気が見えない…
だだっ広い…



ここは那智高原公園。
那智大社はここからまだ1.2kmあるみたい。

標識にしたがって森の中に入り、



薄暗い山道を歩いていると、だんだん大きくなる、ドドド…という音。
滝の音だ、と思うと、那智大社まで来たんだ、
と感慨深くなりました。

着いたよー!



すぐ近くにあったのは西国札所一番、
青岸渡寺の鐘楼。美しい…



青岸渡寺。



那智大社。



遠くに見ゆるは那智の滝。



年末に取り替えるというしめ縄は
ものすごい高いところにあって、
そこまでどうやって上がっているのか、
と思いました。

実は那智大社内のことも付近のことも
なにひとつ調べていなかったため、
やみくもにウロウロしてしまい
気が付けば、はや、夕方の気配。
紀伊勝浦駅までは10kmですが、
もう走る気力はなし、バスに乗ろう…

バスのりばがわからず、
なんとなく歩いていくと、門前町に出ました。





時の流れが止まったみたいなお店。
那智黒とか那智石の碁石とか置物とか。
かなりご高齢とお見受けするお婆ちゃんが店番しておられて、
「あーまいくろあめ、どーですかー」て
歌うみたいにお声かけしてるのも
風情がありました。
数年後に来たら、なくなってしまってるかもしれない。かつては活気があっただろうお土産物街もシャッターが下りていました。



土地の人らしきひとを見かけないので
いったいバスはどこから乗るのか、どんどん不安になってきた時。
那智の滝の「お滝拝所」のある、飛瀧神社の前あたりにバス停を発見し
乗ることができました。




やっとついたよ、那智勝浦駅。
(バスに乗ってただけだけど)



駅近くのホテルのお風呂で急いでひとっ風呂。
観光地ではあるのですが、電車の本数は少なく2時間に1本くらいなので乗り遅れると
大変です。
ご飯を食べる時間はなくなったので
コンビニでなにか買おう、と思ったら、
コンビニはない&商店はみな閉店してたよね、
18:00前…
奈良の商店街よりウワテやな…

仕方なく、補給食の残りの黒砂糖を食べて
餓えをしのぎ、2時間弱かけて
紀伊田辺駅に到着。



あー今回も怪我なく終えられてよかったー


2日目のみ。1日目は保存できず。


(次回、よもやま編)










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