マラソン1年生再履修その 6 マツ。

2023年4月29日土曜日

 さて、レースを楽しむという感じとはほど遠いオドオドな気持ちでいたわけですが、楽しみにしていることがありました。

地元ランナーのローラさんに、
「コース上、お城が見えるところはありますか?」
とお尋ねしたところ
「26kmすぎくらいに、加藤清正候の銅像の向こう側に
見えます」と丁寧なガイドをいただいていました。

25kmを過ぎてから、お城ポイントはまだかしら?と
心待ちにしていていたわたし、
市役所の対岸に広い公園が見える道に出てきました。

あ!銅像が見える。
ここか!?

画像借り物


ちょうど晴れ間が出ており、青い空に映える金のしゃちほこらしきもの
(遠い&裸眼)

わーーー名古屋城だ!!

わたしはロードレースではスマホを持たないのですが
この風景、写真におさめたかったな・・・
しかもしばらく道は下っています。

お城パワー(?)のおかげでテンションはブチ上がり。
レース中、一番楽しかった瞬間でした。

下っているならなおのこと、調子に乗ったら脚が終わるのが早くなっちゃう・・・
時計を見ながらペースを調整。
このあたりから、ゆるやかな抜き基調になってきました。
対岸には、応援のカブトムシさんが見えてお声をかける余裕もありました。
あーーー早く、あそこへ行きたい・・・

下りが終わって、左折。
ながーーいスライド区間のようです。
心情としては、「めっちゃ長い・・・」と感じ始めていたので
これはもう黄色信号が点滅しています。
時計の平均ペースは5'28"~5'30"、まだ大丈夫だから。
とにかく30kmまでは、絶対にペースを落とさない。
大丈夫。大丈夫。

~30km 2:46'47"(27'34")
531 528 523 528 534

30km到達は、想定内「松」。
おお、エクセレント。
こうなってくると、グロスでサブ4はぜひとも達成したい。

けれども、予想通り、30kmを境に
いろいろ崩れ始めていました。
まず、スライド区間復路の数キロが、果てしなく遠く感じる。
さらに腹立たしいほど予想通り
脚が終わりかけていました。
給水所でタイミングが合わず
立ち止まってしまった瞬間から、ガクっとペースを保つことができなくなっていました。
5'38"のラップを見たとき、ここまでだ、と思いました。

しかし、目標は「松」。

押し引きしながら守ったこの数分の貯金を食いつぶし、さらに借金をしないようできるだけ粘りながら、目標を達成したい。

フルマラソン1年生みたいなものだけど
再履修生だからね。
経験を生かして戦略は立てるよ。
残り12kmあまり。
1kmラップは気にしない。
平均ペースが5'39"以内であるように粘る!!
(サブ4の平均ペースは5'40")

試算を繰り返しながら立てた、
40km到達リミット=3:46'30"
スタートロスを考えると
3:45'50"ぐらいか。
こんなに脚がおわっている状態では
ペースダウンしていくのは避けられない訳なので、
35km~40kmは29分台になってまうだろう。
そうすると35km到達はどうしたらいい?
当初の「松」計画では3:16'00"。
スタートロスを考えると
なんとか3:15分台に滑り込めたら
精神的にはめっちゃ楽になる。
あと5kmあまり、耐えよう!!

私設エイドのレッドブルを2杯キメて、
カブさん応援ポイントの上り坂へ。
ありがとうございます・・・(涙)

なんとか歩かず・止まらず上り坂を上りましたが
こんなぽっちの上り坂で
あ、脚がーーー攣りそうだーーー
新規投入した塩ジェルのおかげか
脚は攣らずにすみました。

現在平均ペースは5'33"~5'34。
もう上りはなく、ゆるやかーに下っていくはず。
なんとか平均ペースを5'32"くらいにいったん上げたいところだけれど。
がんばっているつもりですがなかなかペースは上がりません。

たすけてーーー

取り出したのは、「飲むあんこ」。
実はこれは、かおりんからのもらいものでした。
大阪マラソンで給水ボランティアをしているとき
出走していたかおりんが、
「ナゴヤで使ってね」と
逆補給してくれたもの。
グループラインでずいぶん前につぶやいただけなのにナゴヤを走ることを覚えていてくれたこと。
あんこ好きのわたしを気にかけてくれたこと。
本当にありがたくうれしかった・・・

ですので、これはお守りに持って、
最終盤に投入することに決めていました。
(愛のあんこ)
飲みやすく、まさしくあんこでした。
残念ながらペースが上がるまでには至りませんでしたが
でも落ちることもなく、35km到達。

~35km 3:15'09"(28'22")
538 532 532 600 531

やった・・・!!
時間の計算ができないけど
多分5km=28分は維持できてないけど、どうにか3:15分台にねじ込めた!!
同じペースで40kmまで行きたいところだけれど・・・
下っているのですが、全くペースが上がりません。

もうすぐ応援ポイントがやってきます。
元気に通過したいのになあ・・・

ヘロヘロになってるの恥ずかしい
遅いのも恥ずかしい
なにもかもが恥ずかしい

誰もなにも1mmも思っていないだろうことをぐるぐる恥じらいながら、
端によることもできず、チカラなく手を振りながら応援ポイントを通過しました。
本当にいろいろなところで応援ありがとう!!!

早く40kmが来てほしい・・・
それだけを念じて脚を動かし、
40km到達。

40km 3:44'00"(28'51")
536 538 547 546 557

やったーーーーー
45分切ったーーー

キロ6を保てればサブ4できる。
ということよりも、あと2kmちょいで終われることがとてもうれしかった・・・

左に曲がって、ドームが見えてきたと同時にポツポツ雨が。
えーー晴れなんじゃなかった?
敷地に入って、「あと200mだよ!」て言ってくれた人がいて
それを聞いたとたんに、
急にブワっと感情が爆発しました。

このレースのゴールはとてもドラマティックで、短いスロープを降りると、
華やかな会場に入ります。
すぐ先にはピンク色のフィニッシュゲート。

受付時撮影


そこにいるランナー全員がそれぞれの思いを抱いているように
わたしは、わたしの思いがありました。

2度と走らないと思ったフルマラソン。

10月の終わりごろ、練習の途中で暑さとオーバーペースで吐いて公園のベンチで横たわりながら心底情けなくて泣いたこと。

サブ4ペースなんてもう絶対無理だ、と思いながら
あきらめきれず練習して20km走れたとき飛び上がるほどうれしかったこと。

30km走リトライして、走りきれたとき
ホッとして放心したこと。

走れない自分。
老いていく自分。
そんな自分と向き合うのはしんどいことだけれど、とにかくやろうと思ったことはやりとげた。

いろんな人がいろんなかたちで助けてくれた・・・

耐えきれず嗚咽しながら、
3:56'台ギリギリギリでゴールしました。
3:56'50"

時計を止めたとき、平均ペースは5'36"でした。

「松」!達成したよ!!!!


(続きます)

QooQ