さよなら、ばーちゃんち。税金編

2020年6月8日月曜日

よもやま話


今年の2月末に、
京都の郊外市にある、実母方の祖父母の家を
売却した顛末は、過去記事で
ご紹介したとおり。


さて、不動産を売却して利益が出れば
確定申告をせねばなりません。
わたしは名義人ではありませんが、
母は高齢、万一動けなくなったら
わたしがやんなきゃいけないし、
諸々の事情もあるしで、
わたしが動くことにしました。

不動産売買の利益が発生した場合の
確定申告は初めてです。
先日、税務署に行き色々教えてもらって、
ほおーと思うことが多々あったので
書き残しておこうかと思います。

もしかして、ジョーシキじゃん、
そんなこと知らんのか、てことを
ドヤ顔で書いてるように見えましたら
アホなのね、かわいそうね…と
ご容赦下さいませ。

何を払うのか

基本的には「売った金額」から「買った金額」を差し引いた利益部分に対して、
一定の税率を乗じて求める譲渡税。

譲渡税の内訳は、
所得税・住民税・復興特別所得税。

譲渡税は分離課税なので
年収とは関係なく、別に納める。

誰が払うのか

不動産を相続した者が税金を払う。
名義人が複数いる場合は、それぞれが払う。

いつ払うのか

売却した年度の翌年の
2月16日から3月15日に確定申告をする。
所得税を納めてから、その後、
住民税を納める。

うちは、名義人は年金生活者の母と、
会社員の従兄弟(母の亡き姉の息子)。
売却は、2020年2月だったので、
母と従兄弟、別々に
2021年に確定申告をします。

いくら払うのか

利益部分(譲渡所得)は、
 売却価格 - 取得費 -譲渡経費
で求められます。
その譲渡所得に、税率をかけて求めます。

確定申告時には、このような書類に
必要な事項を書き入れます。


売却価格

売った価格ですね、そのままです。
売却時の売買契約書がありますので
これは明解。

付け足す点は、固定資産税で、
年度途中で売買した場合、
買い主に固定資産税をいくらか
払ってもらう場合がありますが、
それは売却価格に足します。

取得費

うちのように、ふっるーーい家の場合、
これが一番問題。
ずっと住んでて、いくらかなんて
どうしても分からない場合、
売却価格の5%で計算されることも。
利益が大きくなってしまい税金額が肥大!

が、ミラクルが起こりました。
なんと長い長い間、借地だったらしく、
昭和も30年代に入ってから、
買い取っていたのです。
ばーちゃんは、金勘定にきっちりして
いたので、その買い取り時の書類は、
全部残っていました。よ、よかった…

そして一方、建物。
実はわたし、建物は売却のとき0円だったので
収得価格にカウントしてなかったのですが
ちゃんとカウントされます。
ばーちゃんちの家は、
土地を買取ったとき建替えたものでした。
(木造)
ただし、建物は減価償却分
差し引かれます。


減価償却分を求めるために
教えてもらった計算は、
購入価格×0.9×償却率0.031×建ってからの年数
※年数が長い場合、この計算結果が、
 購入価格を上回ることになりますが、
減価償却分は、購入価格の95%を上限とするので、その場合は、
 購入価格×0.95で求めます。

昔からある土地・建物も、
例えば個人の領収証でもあれば
ちゃんと認められるみたいですので
諦めず探す価値はあると思います。
また、購入したときの、
登記費用不動産収得税は、
ここに加算できます。

さらに。
特殊事例でしょうが、
うちは、敷地の一部に借地があり、
そこを買い取って売却したという
経緯がありますが、
その購入費用、その際に測量した
測量費用も取得費に加算できるとの
ことでした。

譲渡経費

売買時にかかった経費。
不動産屋を通して売買した場合の
仲介手数料
収入印紙代
証書作成費
相続登記費用
これらは全て経費。
建物を取り壊す場合は、
取壊し費用も加算されるそう。

母の質問で、経費とか取得費に
加算できないのか、と聞いたのが、
・庭の手入れ代
・家の片付け業者費用
・売買の話のために移動した交通費
全部、だめで、計上できないとのこと。

譲渡所得計

名義人複数の場合、持ち分の割合が
ありますが、その割合を掛けて計算します。
母と従兄弟は50%ずつの割合。
したがって、

譲渡経費/2 −購入費/2 −譲渡経費/2
− 基礎控除380,000

が、母の譲渡所得。
もしあれば、ここから、さらに特別控除額を
ひくことができます。

これに税率を掛けます。

税率について

条件によって、変わります。


注意として、
長期譲渡所得とは
譲渡した年(亡くなった年)
の1月1日において
(亡くなった人がその不動産を) 
所有期間が5年を超えるもの、
短期譲渡所得は
所有期間が5年を超えないもの。
譲渡した年の1月1日において
ここが、肝心とのことです!!

ふう〜〜。
税務署では、時間制限はありましたが
無料で、とても親切に教えて
いただけました。
でも記入して、また確認してもらいに
行かなくては…
うちは当てはまりませんが、
特例受けるような場合は、
更に記入用紙も増えますので、
相談されることをオススメします。


ところで余談ですが。
山のように残された書類から、
明治24年
ひいじい様・書の
田畑を売った際の書類が
発掘されました。

和紙、こより綴じ。

130数年ごときじゃ、
ビクともしない、和紙と墨。
ほっそい線も赤い色もそのまんまです。


すごい耐久性。
こちらは昭和7年の封筒。
和紙です。
こちらも全くビクともせず。

資産価値はゼロですが、
とっても興味深かったなあ。




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